「北海道とその周辺における最近の地震活動 2018年1月1日〜2023年5月31日」が「総合地質」 に受理されました.
閲覧:https://www.hrcg.jp/general_geology/archive/071/02_Takanami2023_L.pdf
要旨:2018 年9月6日に,北海道胆振地方中東部で発生した逆断層型地震の胆振東部地震(M6.7)が発生し,震源域にある厚真町で震度7を観測した.その内陸被害地震からすでに5年が経過したが,その長期に亘る北海道とその周辺の地震活動の調査報告は少ない。その期間に発生した地震の時空間分布と発震機構を調査することによって,現在巨大津波地震が想定されている千島孤南西端や青森県東方沖のほか,根室はるか沖の千島海溝付近,知床半島沖,北海道北部,日高山脈南部,択捉島付近などで顕著な地震が発生していたのが知れた.それらの統合的考察から,海溝沿いとスラブ深部との地震活動の因果関係や,十勝沖〜根室沖の非DC解と青森県東方沖の純粋なDC解との発震機構の地域差が示唆された.