2025年11月9日三陸沖地震 (M6.9) 後の高い地震活動
第1図.三陸沖で最近発生したM4.5以上の震央分布
2005年11月9日17時03分に三陸沖の深さ約15kmでM6.9の地震が発生しました。この地震を契機に、三陸沖では今もなお大きな地震が頻発しています。すでに、この地震については、気象庁の地震カタログに基づいて解説してきましたが、ここでは、防災科学技術研究所(NIED)が公開している、「気象庁一元化地震処理データ」(注、気象庁や大学、防災科学技術研究所などの各機関がそれぞれ観測した地震データを、気象庁がリアルタイムで収集し、同一の基準で処理・解析した全国共通の地震データ)に基づいて、ごく最近の2026年7月4日までの地震活動を概説します。
まず、第1図にはM4.5以上の比較的大きな地震の震央分布を示します。その分布の東端には、同程度の大きさの地震群を伴った2025年11月9日地震M6.9と2026年3月26日地震M6.7とが隣り合って起こっています。これらは「双子地震」と見做せます。双子地震の後者の発生からわずか25日後に、最大地震M7.7が北方約60km離れた場所で発生しました。これらの顕著な3つの地震が取り囲む領域内では大きい地震が周辺よりも頻発しています。

第2図.地震規模M1.0以上のM-Tダイヤグラム
この震央分布に関連した地震活動の規模別時間変化は、第2図のM-Tダイアグラムで示しました。これは個々の地震の発生時刻に沿って並べたものですが、地震の規模Mに対応した丸つきの縦線で表しています。これで地震活動の規模別時間変化が容易に理解できます。これから、2025年11月9日に発生した地震M6.9以来、この海域での地震活動が高くなったと云えます。またこの地震の発生に伴って比較的大きな地震の発生頻度も高くなっています。これから推して地震のb-値(注、地震の発生頻度は規模Mとともに指数関数的に減少するというG-R関係式の傾きを指します)の時間変化が推察されます。例えば、第3図によれば2026年6月25日の地震M7.7の直前でb-値の減少が示されています。

第3図.2026年6月25日の地震M7.2前後のb–値の時間変化
以上、最近の三陸沖の高い地震活動を概観しました。そのための調査資料として、気象庁一元化地震処理データとSeis-PCの出力図を変更しながら使用しました。なお使った地震資料は暫定的であり、将来変更されることがあります。

